頭に残ってはなれない・・・
昔話で、ある男が神様に願いをかなえてくれるようにお願いしたところ、神様は「お前がキツネのしっぽのことを1週間考えなかったら望みをかなえよう」と言った。
その男は必死でキツネのしっぽのことを考えまいと思うのだが、いつのまにかキツネのしっぽがどうしても頭から離れなくなってしまった。
キツネのしっぽのことなど、日常は考えない事柄であるが、自分にとっての価値が絡むとどうしても考えてしまうと言う話である。
近いところでは、日本でも鶴の恩返しなどの話がある。
人間には不思議なものは覗いてみたいと言う感覚が備わっているのである。
また、日常の会話でも結果をじらされるとどうしても結末が知りたくなってしまう。
このような人間の本能を利用した物が「ティザー(じらし)広告」と呼ばれる。
店舗看板でも、一見何の店かわからないと言うのは興味を惹くことは確かである。
CMなどでも物語調で話を作り「続きはWebで」などと誘導したり、新車発表の際に完全なシルエットを見せないなどといった手法が多用されている。
前項からの続きであるが、
見る者をいかに受動的立場から能動的立場に変換できるかが重要なファクターである。
例えば改装中の店舗の仮囲いに「喫茶店3月オープン」などの看板を掲げることが多いが、これが「謎の店いつかオープン」であったら見る者の興味を惹くのはどちらであろうか?